地声が低い声の人は声にコンプレックスを抱えている事が非常に多いです。
ヒット曲のボーカルは、全体的にキーが高くなる傾向にあるからです。
これは、ラジオやテレビ等のCMで聴き取りやすい、目立ちやすいようにという非常に商業的な理由と考えられます。
低い声は『ダメなもの』『必要の無いもの』と考える方が多いのですが、『倍音豊かな低い声』はボーカルにとってこれ以上無い大きな素質です。
「低い地声」に悩んでいるあなたに、低い声の素晴らしさをお伝えします。
ボーカリストは、背が低い!?
1990年代〜2000年前後、CDのミリオンヒットが連発した時代の日本のポピュラー音楽は、音域が高い声のボーカリストばかりでした。
『T.M.Revolution』『GLAY』『X JAPAN』『L'Arc〜en〜Ciel』など。
最近では『ONE OK ROCK』 『KANA-BOON』『クリープハイプ』『ゆず』など。
ニコニコ動画で人気の歌い手さんも、声が高い方が非常に多いようです。
ほとんどの人に共通しているのが『背が高くない事』
一般的に、声帯の長さと慎重は比例すると言われています。
小柄な人ほど声帯が短いため声が高くなり、声帯が長い長身の人は地声が低くなります。
『地声が低い=高い声が出ない』の誤解
声が低い人は、必ず高い声が出ないことに悩みます。
声帯が長い人は、高い声を出す際に動かす声帯の割合が多く、声帯が短い人より難しくなりがち。
しかし『高い声が出せない』のかと言われればそうではなく、ほとんどの人が『間違った力んだ発声のフォーム』で高い声を辛く苦しい声と認識してしまっています。
高い声を出せるようになりたいと思っている人は『正しいボイストレーニングを行い、正しい発声法を習得する事』が必要不可欠です。
魅力のある低い声のアーティスト
彼らは非常に地声が低いのですが、長い声帯から生まれる倍音豊かな声質が魅力となっています。
それぞれの声質の特性
人は声の高さそのものから、その人の印象を決定します。
- 『高い声』- 明るい・若々しい / 子供っぽい
- 『低い声』- 安心する声・大人っぽい / 暗い
声の高さにはそれぞれ、良いところと悪い所があります。
地声が高い人は声帯が短い分 『声が細い』と悩んでいる事も多く、年齢が高くなるほど声と人の印象にギャップが生じかねません。
魅力的な声を産み出すには、自分の声を正しく分析しプロデュースする必要があります。
練習不足な『低い声』
そもそも『高い声』は発声する事そのものが難しい割に、低い声というのは発声する事自体はそこまで難しくありません。
皆ボイトレというと高い声ばかりを練習するため、『低い声』が放置されて非常にお粗末な状態になっています。
ポピュラー音楽では主に『Aメロ』で使われるこの低音域。
歌の入り出しからドスの利いた低音で歌われては、せっかくの名曲も台無しです。
低い声をきれいに出す3つのポイント
人は、得意な音域は声が大きく、苦手な音域は声が小さくなりがちです。
無理してひねり出した低い声はぼわぼわした声で、しかも声が小さいので何を行っているのかさっぱり分かりません。
- 膨張する低音をおさえはっきりした発音
- 高音と同じくらいの音量感
- 艶を加えるウィスパー(息漏れ)感
低い声を魅力的に響かせるにはこの3点を意識する事が重要です。
『ぼわぼわ音』を消して、声の抜けを良くする。
低い声で悪い例を男女別にあげてみましょう。
- 男性→ぼわぼわした地響きするような声
- 女性→なんか怒ってるようなガサガサした荒い声
低い声になると、発声の方向や矢印も下に向きがち。
発声の方向をしっかり上方向に保つ事で、余計な共鳴が減り通常の音域の声質に近づきます。
『ウィスパー感』で低音に豊かさを
といっても、演奏等とかぶりやすい低音域は、そのまま発声してもなかなか良い声にならない。
そこで、息を漏らしながら発声する『ウィスパーボイス』という発声法を使います。
声に空気を混ぜてあげると、あわせて倍音が増え、抜けが良く豊かな低い声を作る事ができます。
まとめ
高い声は確かに大事ですが、音域は歌を表情豊かにするためのツールの一つ。
すべての音域を柔軟に美しく使いこなせなければなりません。
つやのある豊かな『低い声』は、必ずあなたの表現の大きな武器になりますよ。