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歌い手のための役立ちコラム

スポーツの視点から「声」を理解しよう

私は、ボイストレーニングは「スポーツ」だと思っています。
ボイトレに関わらず、技術習得に関連する分野で結果を得られていない人は「スポーツ的な視点」が欠落しているように感じます。

練習は、正しく行えば誰でも必ず結果を出すことができます。
ボイストレーニングや歌、発声は一体何が難しくて、できない人は何が間違っているのか?
誰にでもわかりやすいように解説します。

頭で学び、体で理解する

まず、ボイストレーニングの目的を「正しい発声の習得」に絞ってみましょう。
声を出す、という動作は実はとてもシンプルで、数でいうと4つほどの器官をコントロールできるようになることが目的になります。

これを、言葉や文字で説明することは難しくありません。
音楽理論と同じで、その手の本を買ってみれば正しい情報は手に入りますし、知識を得るだけならわざわざ教室に通う必要はありません。

独学で難しいポイントは二つあります。

体感的な理解

シンプルにいうと「動作として理解する」こと。

例えば、野球のフォームを本で勉強しても、学んだフォームをそのままできるようにはなりませんよね?
人は個々に体の使い方が違うので、その誤差を理解した上で、実際にイメージ通りの動作をできるようになるのが「体感的に理解する」ということです。

自分の状態を正しく理解する

人は毎日、体のコンディションが変わります。
朝と夜でテンポの感じ方には違いがありますし、音程の認識も変化します。

技術を習得するというのは「身につけたスキルを、どんな状況でも無意識で使えるようになること」
自分の体の力みやバランスを正しく理解し、安定したコンディションと技術を得るには、同じ項目を繰り返し、無意識化まで落とし込めるまで「正確に反復すること」です。

自分の体を理解したり、練習の正確性を保ちつつ自分のレベルにあった練習を提案、管理することは簡単ではなく、この点がボイストレーナーなどの専門家の必要になる理由ではないかと思います。

技術を「無意識化」する必要性

歌でも会話でもナレーションでも、実際のプレイの際は、複数の動作を同時に行います。
「腹式呼吸の練習をしているのに、歌の時はできなくなる」
「歌詞やニュアンスを意識すると、基礎がおろそかになってしまう」
なんてことが実技ではよくあります。

これらは、技術の習得が不十分、「無意識化」まで技術の習得がされていないことで起こる現象です。
この段階でレコーディングに臨むと、想定外の要求をされた時にうまくプレイができなくなってしまいます。

スポーツでは「試合は練習の10倍の価値がある」という言葉があります。
実践の集中状態では、普段出せないパフォーマンスを発揮できることが多く、技術の必要なレベルを身をもって体験することができるからです。
歌でいうとライブやレコーディングがこれにあたります。

実践では、継続的に様々なことを意識する必要があり、その中で習得の不十分な技術が多いと、ニュアンスや表現まで到底手が回らなくなってしまいます。

「実戦に必要な技術量」がわかると、一つ一つの技術の習得の必要性が深く理解できます。
無意識化するというのは「歩くように、言葉を話すように」その技術を使えるようになることですが、基礎ができていない時は簡単なメニューを繰り返し、レベルが上がってきたら、実際の曲などの課題の中でそれらの技術を使うことで技術のレベルは高くなり、最終的には練習を多少さぼったくらいでは体から抜けなくなります。

スポーツは「スペック」と「経験」のゲーム

発声は基礎訓練によって、表現力は経験数と見識の広さで決まります。
「体がイメージ通りに動く」ことで様々な表現にアプローチできる「道具」を手に入れることができます。
様々な良い音楽やプレイを見聞きすることで、プレイヤーは「良いプレイのイメージ」を組み立てたり、提案することができるようになります。

道具だけではプレイができず、見識だけでもイメージしたビジョンをプレイに再現することができません。

基礎と表現は繋がっていて、安定した基礎があるから質の高い表現ができる、ということを良く覚えておいてください。

  • この記事を書いた人

高岡ボイストレーナー

レコーディングボイストレーニング教室・代表講師
■音楽同人サークル『Film Records』代表。年に2枚の作品をリリース。
他、個人/法人の制作案件をご依頼いただいております。
■『Cubase Pro 9で始めるDTM&曲作り』リットーミュージック・執筆

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