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声帯を鍛える・正しい理解と注意点/ボイストレーニングコラム

声帯を鍛える・正しい理解と注意点

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声帯を鍛える・正しい理解と注意点

「声帯を鍛える」という考え方は、ネットや本の記述をはじめ様々な媒体で確認が出来ます。
この表現の仕方、実はとても誤解を招きかねない表現で、多くの人が謝った理解をしてボイストレーニングに悪影響を与えています。

『声帯』は非常に繊細な部位、正しく構造を理解した上でトレーニングを行う必要があります。
ヘタをすると喉を傷つけ続け声質に致命的なダメージを与えかねません。

今回は、正しい声帯のトレーニング方法について紹介いたします。

声帯は筋肉ではない

声帯とは、喉頭にある発声を行うための器官全般の事を指します。
これらの器官は首周辺の筋肉によってコントロールするものなので、筋肉のように負荷を与えて回復させる事で大きくするといった鍛え方は出来ません。

『声帯を鍛える』を筋トレのように解釈する人が多く、何時間も大声を出したり喉を傷つけて鍛えようとする方が多いのですが、喉の消耗が早まるばかりで逆効果です。
喉や声帯を鍛えるという意味は「喉周辺の筋肉の正しくコントロールする技術を身につける」という意味なのです。

「コントロールする」意味では鍛える必要がありますが「筋肉を増大する」意図でのトレーニングは絶対にしてはいけません。

声帯と声質の関係性

多くの人が誤解しがちなのが「声は声帯で作っている」という解釈。

昔、プロの一流のゴスペルシンガーの声帯を調べたところ「プロと一般人の声帯の形状には、ほとんど違いが無かった」という話があります。
男性と女性でも声帯自体は数ミリしか違いがありません。

声質に差を産み出しているのは「声帯の周りの声道の長さ」「身長、体重等の身体差」「顔の骨格、歯並び、鼻腔の形」など。
体全体のあらゆる共鳴部位によって声は作られています。

喉はそれを音声にするツールに過ぎず、喉自体がその声質を作っているという訳ではありません。

声帯は「音程変化」のコントローラー

そもそも、声帯は声質にほとんど関係がありません。
では、声帯とは何をする場所なのでしょうか?

答えは「声の音程を操作する器官」
声帯をイメージ通りにコントロールする事で、正確なピッチで歌う事ができるようになります。

声帯は周辺の筋肉を使ってコントロールされているので、様々な音程移動の練習を行う事でこれらの筋肉は鍛えられます。
音程を安定してキープする、細かいメロディーを遅れずに正確なピッチで歌う、微妙なピッチ変化を正確に表現する、など様々な課題が生じますが、これらを基礎練習で鍛える事でリラックスした声帯のコントロールが可能になり、同時に高い音を楽に歌えるようになる事にもつながります。

力任せな練習は喉を傷つけてしまうばかりなので、力み無く音程をコントロールできるようになる事が大切です。

「発声」は体全体のリラックスが重要

そもそも「声帯を鍛えたい」と考えている人の多くは「高い声を出したい」「声を太くしたい」という目的でこの発想に行き着きます。
音域を広げたいのなら声帯のコントロールの練習が必要ですし、声を太くしたいなら表情・呼吸・共鳴・声門のコントロールが必要になります。

厳しい言い方ですが、何も理解しないままガッツだけで理想の声を手に入れようなんて虫がよすぎ。
理想の声を目指すなら、しっかりと声の構造を学んだ上で、自分という楽器と向き合い対処すべきです。

「発声」に必要な器官は複数ありますが、一貫して言えるのは「よけいな力みを生じさせない」ことが重要。
つまり、リラックスした状態で声を出せていないと駄目なんです。

一つの器官が力むと、そこを起点にその周辺の筋肉も緊張して動きが悪くなります。
力みはどんどん体中に広がって、力みだらけのガチガチなフォームが出来上がります。
歌っている本人はがんばって歌っているつもりでも、出てくる声は「絞り出すような苦しい声」ばかりです。

本当に正しい発声を身につけたいなら、自分の悪い癖や力みを把握し改善する必要があります。
間違った練習で喉を壊したりしないよう、理解の不十分な練習には十分に注意してくださいね。

2016年1月12日 :歌い手のための役立ちコラム (9)

ボイストレーナー:高岡兼時

■録音ボイストレーニング教室・代表講師
■音楽同人サークル『Film Records』代表。 年に2枚の作品をリリース。 他、個人/法人の制作案件をご依頼いただいております。
■『Cubase Pro 8で始めるDTM&曲作り』 リットーミュージック・執筆

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