『声の抜けが悪い』
一人で歌っていると気にならなくても、バンドやカラオケに行くとこんな風に言われる事はありませんか?
『何を歌っているんだかわからない』
『人だかりの中で、大声を出しても内容が聴き取れない』
抜けの悪い声とはそんな声です。
今回は『抜けの悪い声』の改善についてお話しします。
原因は声の共鳴の仕方に
『抜けの悪い・聴き取りづらい声』 とは、なんとなく『モコモコ・ぼわぼわ』 した不明瞭な印象です。
『体の中で無駄な共鳴が起きていて、重低音の倍音を増やしすぎている』
原因としては、上記の理由が考えられます。
マスキングという現象で、抜けの良い声が含まれていても、中低音が上に覆い被さり、声の輪郭を不明瞭にしてしまっているのです。
解決するには『体のどこが過剰に共鳴しているかを探し出し、発声を改善して中低音の共鳴をおさえる』必要があります。
口の開け方による『声のこもり』
口を小さく開けて発声する人は、当たり前ですが声の出口が小さいので、口の中で声が回り中低音が傍聴します。
- モデルさんの笑顔のように、広角を斜め上外側に広げ、笑顔のような口の形で発声をします。
※この時、縦に口を大きく開ける必要はありません
縦は狭くても良いので、広角を広げて、横に隙間を作るように意識してください。
口を横に大きく使って発声すると、横に空気穴のような声の逃げ場が出来、中低音が減りすっきりとした声になります。
発声の方向
発声は、声を出す方向によって体の共鳴部位が変化します。
下に向かって発声すると、胸〜首あたりが共鳴し、低音が増えます。
上に向かって発声すると、空気のぶつかる壁が少なく鼻から声が抜けていくため、すっきりとした声になります。
※目線とあわせて、まっすぐより少し斜め上を目指して発声してください。
『鼻にかかる声』
私もそうですが、なんとなく『鼻をつまんだような声』俗に『鼻にかかった声』になってしまう人がいます。
鼻腔が共鳴しすぎてしまう状態なのですが、主に中音域がふくらんでしまい、声の抜けを悪くします。
これが味になるシンガーさんもいますが、あまりにひどすぎると聴き取りづらい声の原因の一つになります。
- 発声時、鼻を触ってみてください
まず、鼻を指で触ったまま「なにぬねの」と発声してみてください。
発声時、鼻が振動するのが分かると思います。
- 次に「あいうえお」と発声してみます
同じように鼻が振動していたら、あなたの声は「鼻にかかった声」
母音は本来、鼻を共鳴させる必要の無い発音だからです。
『鼻にかかる声』の直し方
これを改善するには、鼻にあたらないよう、さらに発声の矢印を高く意識する事が重要です。
目安としては、大体目頭の辺り。
目頭を声がまっすぐ貫いていくように、目線とあわせて高い位置に発声するよう心がけてください。
『鼻を超えてさらに上に矢印を向ける』というのがポイントです。
それでも直らない時は?
私はそれでも直らない『鼻にかかる声』でした。
レントゲンを撮ったところ、鼻の中の骨が曲がっており、空洞が狭くなる『鼻中隔湾曲症』という症状が原因で、鼻腔が狭いため共鳴しやすく声の抜けが悪くなりやすいと言うのが原因でした。
私の手術体験記がありますので、こちらも参考にしてください。
トレーニングで改善できればベストですが、人間の体はそれぞれ異なります。
身体的な問題も十分に考えられるので、特に鼻炎等をお持ちの方は一度耳鼻科で確認してみる事をお勧めします。
まとめ
声の抜けが良くなると、声が大きく元気な印象になり、日常生活でも印象が良くなります。
自分の声に『抜けの悪さ』を感じている人は、是非その改善に努めてみてください。