『声質を変えたい』
ボーカリストは誰しも一度が考える事です。
自分が個性的な声である事はコンプレックスに感じ、人の個性はうらやましく感じる物。
個性的な声は唯一無二でありながら良くも悪くもなる諸刃の剣です。
さまざまな個性的な声質を使う事ができたら、と考えるのは自然な流れですよね?
『声質は変える事ができるのか?』について考えてみたいと思います。
■声質を作る2つの要素
声質には二つの種類があります。
- 発声の仕方によって作られている声質
- 体の構造からなる声質
『歌い方で近づけられる部分もあるが、身体的な理由での声質の違いは再現が難しい』
声質の違いは上記のように考えられます。
ものまね芸人には本物さながらに歌える人もいます。
ですが、そうした人はやはり本人と骨格や体系等が近い人の方が再現性が高いように感じます。
とはいえ、喉の使い方一つでかなり多くの声質が扱えるようになります。
自分の資質に落ち込む前にまず『自分という楽器を使いこなす』事からはじめるのが大切です。
■声は喉で作られる?
良い声の持ち主は『良い声帯』を持っていると勘違いされがち。
しかし、それは大きな間違い。
昔の例として「プロのゴスペルシンガーの人体解剖を行って、一般人との声帯の違いを調べる」という例がありました。
そしてその結果は、声帯自体は何も特筆すべき違いはなかったそうです。
男女で声帯の長さは違いますが、それ以外は声帯による声の違いはほぼ無いと考えて良いでしょう。
■じゃあ、なんでみんな声が違うの?
まず、性別が同じでも声帯の長さには個人差があります。
背の高さに声帯の長さは比例するため、背が高いほど地声は低く、背が低いほど声は高くなります。
声を決定づける要素は、主に下記の4つです。
- 骨格
- 体格
- 鼻
- 発声
声は空気を肺から声帯を通り、頭蓋骨内を通って外に排出されます。
肺の大きさや頭蓋骨の形の違いによって響き方が変わり、それがその人の楽器としての声の特徴といえるでしょう。
私は慢性的な鼻炎持ちだったのですが、『鼻中隔湾曲症』の手術を受けた事で、声質の大きな変化がありました。
この場合、鼻の骨を削る手術でしたので、骨格そのものにアプローチをしたという事になります。
■さまざまな要素で作られる声
これ以外にも、歯並びの悪さや飲酒喫煙など、喉に悪影響がある生活習慣をお持ちの方は声帯が傷つき、声がざらつきます。
※歯並びの端正や鼻炎の解消、乾燥防止の加湿器の導入は、声に確実に良い効果があります
体を鍛える際に首の筋肉を鍛えすぎたり、太り過ぎの人は、首の周りの筋肉や脂肪が声帯を圧迫し、細い声になりやすいです。
また、性格によっても発声の仕方は無意識に変化し、声が明るくなったり暗くなったりします。
様々な要素を組み合わせて声はできているので、生活習慣を見直す事も声には非常に重要。
声にコンプレックスがある人も、ダメな声だからと諦めないで、根本的な改善にチャレンジしてみてくださいね!