私は、年間200名以上の声優志望のプレーヤー、プロの声優と仕事をします。
レコーディングスタジオ「やすろく」ではエンジニア、教室ではボイストレーナーとして、コミュニケーションをとっています。
「声優発声プログラム」を開始して1年半。
今、私の教室の半数近くの方が声優を志望されています。
声優の養成所に通ったり、プロを目指す方々の多くは、正直「声優という仕事に無知」です。
これでは、せっかく夢を志したモチベーションや貴重な時間、多くのお金を無為に失ってしまうことになるでしょう。
今回は「声優志望者が知るべき3つの事実」について解説します。
声優になれる確率。仕事の実像
声優志望者は日本全体で30~40万人、声優だけで生計をたてているプロを300人程度と試算してます。
ここでのプロの定義は「声優の仕事のみ」が収入の基盤となる人材。
声優だが音楽のライブ活動が主、Vtuberなどは除外、あくまで「法人によるアニメーション制作」で声優業務を行う人材です。
単純計算で倍率は約1000倍。
なぜ、世界に誇れる日本のアニメ文化にもっとも近しい仕事が、これほど少数の人材でおこなわれ、雇用が増えないのでしょうか?
アニメ制作における大きな課題
アニメの制作には多くの優秀な人材と時間を要し、当たり外れの激しい世界。
リスクが多ければ、制作コストは減少、失敗すれば継続して作品をリリースできません。
ざっくりいうと、アニメ業界は大ヒット作以外、景気が悪いのです。
デジタルグラフィックが発達し、作品のクオリティーはめざましく向上しました。
アニメーションはゲーム業界にも派生し、アニメ会社がゲーム内のアニメーションデザインを担当する、声優に依頼するなど、仕事の幅は広がっています。
しかし周知の通り、ゲーム業界も当たり外れが極端で、リスクが高く同じ現象が起きます。
「アニメは世界中が大好きだけど、制作サイドにはお金がなく、情熱だけで作品を作っている」
まとめるとこういうことです。
声優志望者は毎年増え、優秀な人材があつまり、競争は激化。
「生半可な気持ちでは生き残れず、まぐれでなれるような仕事でもない」
声優とはそういう仕事です。
声優の仕事の変遷と根本的な問題
声優の雇用の不足は、かなり早い段階から問題視されていました。
事務所は声優に給与を支払って利益を上げなければならないので、仕事がない、では困るのです。
過去の解決ケースには、以下の事例があります。
- 「アイマス」「ラブライブ」に代表する、音楽産業参入
- ゲーム業界、タレント業への拡大
- ナレーション、声関連業務への参入
要するに、声優さんは「アニメ業界の雇用が増えないので、よそに出稼ぎに行く」という手法で業界の荒波を乗り切ってきたのです。
しかし、タレントや芸人さんが声優の仕事に侵食する、ジブリ映画のような事例もあり、結局はプラスとマイナスが相殺されてしまった印象があります。
根本的問題は「声優は何かのコンテンツに依存する仕事」であるということ。
問題を打破するには「声優が独立したコンテンツ化する」イノベーションを起こさなければなりません。
ブランド化による「新しい声優のカタチ」
「アニメ業界が崩壊すれば、声優は全員廃業する」
単純に考えると、今の状態はこう考えることができます。
ただでさえ声優はリスクが大きいのに、あんまりだと思いませんか?
声優さんの職業は非常に高度で特殊な技術ですし、尊敬すべきものと私は思います。
だからこそ、自らの足で立ち「本当の意味での自立」をめざす必要があります。
声優を志す方は、声優にこだわらず「声にたずさわるすべての職業」に手を伸ばし、生活をしのげる雇用を獲得し、経験をつみながらチャンスを待つべきです。
どんな業界でも、プロの現場での仕事は必ずあなたの大きな財産になります。
アルバイトをしていても手に入るのはお金だけですが、声の仕事はお金をもらって実践的な練習を行うことができます。
大きな希望があるのが「バーチャルユーチューバー」「ゲーム配信者」「バーチャルナレーター」など、Youtubeを主に提供されている「顔を出さないコンテンツ」です。
これらは個人でもはじめることができ、広告による収益の回収はもちろん、プロモーションを行いながら声を磨く訓練にも代行できます。
Vtuberはこれから大きなムーブメントがくる可能性が高いコンテンツで、私の顧客にもすでにVtuberで生計をたてている声優の方は少なくありません。
配信業で土台を作れれば、将来性の不安定なアニメ産業だけに自分の将来をゆだねる必要がなくなります。
上記にかぎらずとも「声の仕事」を中心に雇用を獲得し、不要な仕事を減らしていくことは、あなたの将来へのかけがえのない投資になります。
声優の養成所は「声優を育てない」
アニメの製作会社やスポンサーは、主に声優の事務所に声優の仕事を依頼します。
有名な映画で、ズブの素人の声優が起用されないですよね?
※「風立ちぬ」の庵野さんは特殊事例です。
声優とはそれほど特殊で高度な仕事なので、安定した仕事を期待する場合、プロを抱えている事務所に依頼するしかないのです。
「事務所に入らないとアニメ声優の仕事はできない」
「事務所にはいるには、養成所の試験をパスしなければいけない」
必然的に、声優志望者は養成所にはいる以外の選択肢を失います。
養成所は通う日数が少ない学校も多く、コストも安いため、それで参入者が増加していると考えることができます。
大規模な育成事業では基本的に「環境を与え、競争をさせて教育をしない」手法が取られます。
大勢に丁寧な教育は不可能ですし、環境を使って自分で成長しろ!的なノリになります。
声優の養成所なんてまさにそれで、彼らを指導してみるとわかりますが、誰一人としてまともな基礎をもっていません。
AKBやジャニーズって、全体として歌は上手ではないですよね?
彼らはエンターテイメントなので総合技術でカバーしますが、声優は声がすべてなんです。
声優が、アイドルのゴロツキみたいな半端な教育で、結果を出せると思いますか?
どんな場所にも、素質がある人、センスがある人っています。
声優の養成所は「能力がある人間を事務所に引っ張り抜いて、プロの現場で一人前にする」としか考えていません。
つまりあなたたちを育てる気なんてないし、養成所ビジネスのお客さんとしか考えていないってことです。
私は、希望する事務所にコネクトできる養成所に通うことは賛成です。
でもそれは「事務所にはいるためのパイプになる機関」としてであり、自分を鍛え上げる指導の場としてではないのです。
それであれば、養成所に支払うコストは可能な限り落とすべきで、浮いた資産を専門的なレッスン機関、つまり私の教室などの「実力を養う場」に投資すべきだと考えます。
養成所は、日本の大学に似ています。
大学の言いなりに学ぶだけでは社会で何の成果も発揮できません。
「養成所はあなたを育てない」
この認識のもと、あなたの声優としてのキャリア戦略を再構築する必要があります。
正しいボイストレーニング無しで、プロの「声」は手に入らない
素質として「優れた音色の声」を持つ人は、日常における行動の仕方そのすべてが異なります。
言ってしまえば「生活そのものが練習になっている状態」で、これほどプレーヤーとして理想の状態はありません。
声の音色に問題がある人は、上記ができていないので、訓練する必要性に迫られます。
ただ、単純に発声練習を多く重ねるだけでは、時間やお金のコストが高く、効率的ではありません。
そんな方法で「効果が実感できなかった」経験を持っている方は、少なくないのではないでしょうか?
- 「発声」の仕組みを正しく理解し、意味のある練習のみを行う
- 「正しい練習」は、短い期間で効果を実感できる
- 日常の会話における、可能なすべてを「練習」として扱う
- 1日の発声練習時間は、30分を理想と考える
これは、私が「声優発声プログラム」で教えていることです。
「ボイストレーニングを行なっている」のではなく「正しい知識と練習方法、考え方」を指導しているにすぎません。
最後に
「なんとなく」な練習や戦略は、そのイメージ通り中途半端な結果をもたらし、あなたの貴重な時間と資産を奪います。
「声優発声プログラム」では、3ヶ月の短期集中講座で、正しい認識と知識、考え方、練習方法について体得し、履修後の声への取り組み方に大きな改革をおこすためのプログラムです。
この記事や「声優発声プログラム」に興味を持っていただいた方は、ぜひ一度「体験ボーカルカウンセリング」の受講をご検討ください。