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音楽業界の裏側

ボイトレツイートがリツイート1300で大炎上!

ツイッター、みなさん使っていますか?
ブログを書くのは腰を据えての大変な作業です。
ツイッターは簡単に発信できるため、ついつい作業の合間につぶやいてしまいます。

仕事で立て込んでいて作業ストレスが頂点に達した時。
なんとなくでつぶやいたツイートが1300もリツイートされ、爆発的に拡散されてしまいました!

ツイッターの面白さと恐ろしさに触れてしまった気がしました。
今回はこのツイートについて、少し考えてみます。

問題の大炎上ツイート

問題のツイートがこちら。

Makouさんのブログでもご紹介いただきました。

確かに否定的な意見もありましたが、わりかし肯定意見が主だった印象でした。

なぜ大規模な拡散に至ったのか?

自分としては作業中の愚痴にすぎなかったのですが、結果として多くの人の関心のある内容であったと考えられます。
音楽関係の人には共感を得る内容かもしれませんが、一般の人には関係のない制作の裏側の話題。

これが一般人にも関心を呼ぶというのは「CDとライブの歌の誤差に大多数が違和感を覚えている」現状があるからだと考えられます。
テレビの音楽番組でも「FNS歌謡祭」「紅白歌合戦」など、口パクNGなステージでは歌の本当の実力って本当に露骨にわかりますもんね。

「ライブにプロのステージを見に行ったのに、歌がまるで違ってガッカリ」なんてのは少なくない話に思います。

なぜ、プロなのに歌の実力がないままなのか?

昔のミュージシャンも、デビュー直後は歌や演奏が上手ではない事は珍しくありませんでした。
プロの実力がないまま人気が出てデビューする所から始まり、経験を積み重ねる中でプロとしての実力を身につけていくのです。

やっている事は同じなのに、今のシンガーの方が圧倒的に歌唱力が低いアーティストが多いのは何故でしょう?
決定的に違うのは『ボイストレーニングに時間を設けているか?』という点。

アイドルであれバンドであれ、複数人での活動は協調性が重要。
グループでの練習はコンビネーションについての調整であり、歌そのものを見直す事には絶対になり得ません。
ライブでは、ダンスをしたりパフォーマンスをしたり、歌を歌う以外にも意識しないといけない事がたくさんありますね。

毎日舞台に出ているアイドルやアーティストが、一向に歌が上手にならないのはこのためです。
「ライブの練習をして、歌の練習をしていない」というのが原因です。

  • ステージを練習する事
  • 歌そのものを鍛錬する事(ボイストレーニング)

この二つは、まったく似て非なる物です。

松田聖子さんなどの世代のアイドルが秀でて歌が上手なのは『歌唱、発声のボイストレーニング』をきちんと積み重ねているからです。
特別な才能があるわけでなく、今の人と同じ能力で、努力を積み重ねてプロたるステージを作り上げてきたのです。

景気と興行の関係

もちろん現代のボーカルの人たちも、歌が上手ではないを良いと思っているわけではありません。
もともと資質のある人は、現代でも同じように歌が上手な方もいますし、今の時代の人たちが才能が無いという事も決してありません。

しかし今の音楽市場が『歌唱能力を重要視していない』ことは明らかです。

私が音楽の仕事をしていて歌が上手だと思う人はいますが、そのレベルと評価は必ずしも一致はしていません。
音楽業界が勢いを失いつつある中、アーティストはボイストレーニングに時間をかけることが難しく、ステージの質より利益優先で現場に駆り出される、というのが実情です。

画一的な表現による、「聴き手の劣化」

レコーディングのテイクが「うーん・・・」な出来のとき、エンジニアはその音源をこねくり回して形にします。
私は「やすろく」でエンジニアとしてボーカル編集の作業をしているので、その苦労や裏側が痛い程わかります。

覚えていて欲しいのが、修正で直せるのは『リズム』『ピッチ』『声の質感』の3つの要素のみ。

声が震えてるのを無理矢理直せば必ず音声の破壊がおきますし、単調な歌を表情豊かに編集する事は出来ません。
過度に修正をかけたボーカルテイクは、必ず画一的で似たり寄ったりな出来になります。
※整形と似たような物です

「形が崩れたものを整える」というのが補正の考え方ですので「綺麗なんだけど、どこかで見た事ある」的な仕上がりになってしまうんですね。

修正のガッツリかかった歌だけ聴いて育ってきた世代は「歌とはこういうモノ」的な固定概念が生まれ、人の個性を見抜けなくなってしまいます。
これが私が感じる、環境から生じる「聴く力の低下」
私のボイストレーニングの生徒さんの中にも、こうした症状があると感じる人は少なくありません。

ボイトレは「量」より「意識」

プロでなくとも、時間がない中で練習に時間を捻出する事は大変な事だと思います。

  • 発声の仕組みを正しく理解する
  • 「理想の形」を明確なビジョンでとらえる

私が大切にして欲しいと思うのは、この2点です。
練習というと我流の人はやみくもに時間を浪費してしまいますが、その練習には「根拠」がなく、逆効果になることが少なくありません。

まとめ

練習とは「正しい形を理解し、習得する事」

  • 発声であれば「正しい声の出し方」
  • 歌であれば「曲にあった歌い方」

歌が上手になりたいと一言で言っても、曲やジャンルによって表現のしかた、発声方法は変化するため、目的にあった練習方法を行ってはじめて効果が現れます。
これらを判断するのは、あなたの「耳」と「経験」でしかないのです。
レコーディングボイストレーニングでは、正しいボイストレーニングを行うために必要な要素を最短距離で習得する事ができます

時間をかけられないのなら「頭をつかって歌う」
ご自身の歌唱の機会を、有意義な練習にできるよう心がけてみましょう。

  • この記事を書いた人

高岡ボイストレーナー

レコーディングボイストレーニング教室・代表講師
■音楽同人サークル『Film Records』代表。年に2枚の作品をリリース。
他、個人/法人の制作案件をご依頼いただいております。
■『Cubase Pro 9で始めるDTM&曲作り』リットーミュージック・執筆

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