ボイストレーニングをで多くの人に改善が必要なのが「口の形の作り方」「喉の開き方」の二つ。
声の力強さ・安定感を司る腹式呼吸に対して、上記の二つは『声質』に大きく影響します。
声帯の周辺に力みの多い発声の方は、ザラザラして苦しそうな発声「喉声」になってしまいがち。
高い声が上手に出ない人ほど声が小さく、息苦しそうな喉声で歌っているのが印象的です。
今回は喉声や高い声が出ない悩みに苦しんでいる方へ「細くて耳障りな声を改善する方法」を、実際の音声を交えてご紹介します。
喉声ってどんな声
喉声とは『喉の振動が誇張された声』のことを表します。
いわゆるダミ声とも似ていて、ザラザラして尖った印象のある声質が特徴。
アニメで言うとドラえもんの「スネ夫」妖怪ウォッチの「ジバニャン」のような、ちょっとキンキンして耳障りな声の事です。
喉声は、のど仏と舌の付け根の間の空洞(声門)が、狭い状態で発声する事で作られます。
声門が広いほど倍音が増え、声は透明感を増すのですが、その透明感をまったく消してしまっているのが『のど声』です。
高い声が上手に出せない人のほとんどが、高い声を出す時に喉の周辺が力んでしまい、声帯と呼吸のコントロールが不安定になってしまうのが原因。
首の力みが喉に伝わり喉声になってしまう方が非常に多く、アマチュアの方が一番最初にぶちあたる壁だと言えるでしょう。
喉声とそうでない声を比較してみよう。
言葉で説明するのも難しい話ですので、実際に二つの声を比較してみましょう。
比較してみると、喉声が音楽の中であまり適さないキャラクターな事が分かります。
話し声としても、不快に感じる人が多い声質です。
あえてキャラクターとして使用するのはアリですが、無意識に癖で喉声になってしまう人は、トレーニングによってこの習慣を改善する必要があります。
喉声になる原因
喉の空間が狭くなる原因は『舌の付け根』『のど仏の高さ』(軟口蓋)のコントロールの悪さによって生じます。。
舌を下げてのど仏(軟口蓋)をあげる事で喉の空洞を広げ、声の抜けを良くする事ができるのですが、この2点を意識的にコントロールできない人は喉声を改善する事ができません。
録音ボイストレーニング教室のレッスンでは二つの部位のコントロールについて、感覚と理論・具体的なトレーニングメニューを用いて、喉声を透明感のある抜けの良い声に改善するカリキュラムを行っています。。
声門の開き方の調節で声質はコントロールできる
ここまで読むと「喉声は悪い声」と印象を抱きがちですが、決してそういう事ではありません。
「無意識に喉声になる」という状態が良くないのです。
声門のコントロールが身に付いてくると、声門の閉め具合で声の固さや柔らかさ等、トーンをコントロールする事ができるようになります。
- アニソンやロック系のボーカルは声門を閉め気味
- ウィスパーボーカルやソフトな声の演出は声門を開く
このように、プロのボーカルは曲にあう声質を作るために声門の開きをコントロールしてます。
「自分の声が嫌い」と悩んでいる方も、声門のコントロールを身につけるだけで見違えるような声の変化を感じる事ができます。
まとめ
発声は音域や発音によってコロコロ形を変えます。
会話では声門を開いて話せていても、歌になると不要に力が入ってしまい喉声になり、本来の声のポテンシャルを引き出せていない人も少なくありません。
どんな歌でも声門の形をコントロールできるようになれば、様々なキャラクターを狙って作り出し、表現の幅も無数に広がります。
会話でも同様、表情豊かな人は様々な声のコントロールを使って印象を作っていたりします。
発声に正しい認識をもって「喉声」「苦しそうな高い声」を一日も早く克服しましょう!