録音ブースを使用した「レコーディングボイストレーニング」

きゃりーぱみゅぱみゅの歌に潜む「心をつかむ戦略」/ボイストレーニングコラム

きゃりーぱみゅぱみゅの歌に潜む「心をつかむ戦略」

録音ボイストレーニング > ボイストレーニングコラム > きゃりーぱみゅぱみゅの歌に潜む「心をつかむ戦略」

きゃりーぱみゅぱみゅの歌に潜む「心をつかむ戦略」

独特な名称と中田ヤスタカプロデュースのポップテクノ・ハウスミュージック。
奇抜なファッションスタイルを軸に、初期はある種の色物として扱われてました。
しかし今や「世界的な音楽アーティスト」として、日本を代表する存在になりました。

『ポップでキャッチーな音楽とユニークなファッション・世界観』
こんなイメージのきゃりーですが、知れば知るほど緻密に演出が計算されているのが分かります。

『きゃりーぱみゅぱみゅ』は、なぜ今もなお世界的に支持されるのでしょうか?

中田ヤスタカのサウンド・歌詞世界

彼女の音楽性の核となるのが、中田ヤスタカさんのサウンド・作詞曲。
派手なサウンドに気をとられがちですが、彼の詩世界には日本的な味わい深さを感じます。

「Perfume」の楽曲は、日本的なメロディーや歌詞のストーリー性にも魅力がありますが、きゃりーの音楽ではメロディーはキャッチーに、言葉はむしろ「記号」サブリミナルに近い効果を与える言葉になりました。

「つけまつける」「ファッションモンスター」「にんじゃりばんばん」
彼女の楽曲は一度聴いたら忘れない中毒性を兼ね備えています。

嫌いな人でも覚えてしまう「きゃりー」の音楽

世界的な知名度を得るとともに、彼女にも一定数のアンチが存在します。

きゃりーの音楽は「曲が頭の中でえんえんループして気持ち悪い」と批判が少なくありません。
好きな音楽でもないのに、無意識に頭の中でえんえんときゃりーの音楽が流れてしまうというのはとても不思議です。

  • 中田さんのサウンドメイク
  • キャッチーで一度聴いたら忘れないメロディー
  • きゃりーのファッションコンセプトの際立つミュージックビデオ

これらは、彼女の音楽を心理的中毒症状に導いているのは明らかです。
心理学をベースにした演出は、ポピュラー音楽では決して珍しくありません。

「きゃりー」が世界でうけた理由

彼女の世界的評価の理由、私なりの分析を紹介します。

初音ミクに代表されるアニメ・コミックのムーブメントにマッチする

きゃりーの柔らかくポップな声質やビジュアルは、日本のアニメやコスプレ文化を象徴してます。
サブカル文化が世界へ発信される程、流れに乗るきゃりーの音楽を受け入れやすくなります。

世界への道を「Perfume」が先に開いてくれたのも世界進出の成功の大きな要因の一つです。

奇抜なファッションで音楽以外のメディアにも進出できた

彼女がCMにひっぱりだこになった現状が、その効果を物語っています。
ファッションアイコンとしての地位を確立したきゃりーは、幅広いジャンルの広告塔として高い価値が生まれます。

世界を意識したキャッチーな音楽性

同じフレーズを繰り返す手法は、世界を意識した音楽作りのトレンドとして有名な作曲方法。
心理学の「サブリミナル効果」が働き、メロディーやフレーズを覚えてもらいやすくなります。

きゃりーが音楽だけのアーティストなら、Perfumeの二番煎じと酷評されたに違いありません。
複数ジャンルへの進出の一つに音楽を活用する事で、彼女は確固たる地位を築いたのです。

きゃりーの曲を逆再生すると・・・

ネット上では彼女に「ある疑惑」がとなえられています。

きっかけは彼女の楽曲の『逆再生』
真意は定かではありませんが「確信犯だろ!」といわれても仕方ない内容です。

きゃりーのファッションやPVの世界観が、宗教的な要素・サブリミナルを多用する手法である事から、マイナスプロモーションは加熱し続けました。

しかしこれは彼女にとって、悪い事ではありません。
大多数の支持を得るには『一定数のアンチ』が必須だからです。

悪い噂ほど広がるのが世の中の常。
『つけまつける』ではPVで使用した「目」のアートワークが、海外の秘密結社と噂される組織『イルミナティ』のそれと酷似しており「きゃりーはイルミナティのメンバーではないか?」とアメリカの新聞の記事にも掲載されました。

結果、こうした悪い噂は彼女の知名度を盤石なものに成長させたのです。

まとめ

メジャーアーティストでも音楽以外の分野に進出し、普通は絶対気づかない方法で成果を上げる事も珍しくありません。
別分野の活動をフィードバックすることで、結果として音楽活動に大きなプラスになるのです。
そしてこの手法は、メディアや情報に溢れ変える現代にマッチした活動方法だと感じます。

ストイックな音楽を追究だけでなく、視点を変え人の注目を集める方法を考えるのも大切です。

2016年2月 6日 :音楽業界の裏側 (4)

ボイストレーナー:高岡兼時

■録音ボイストレーニング教室・代表講師
■音楽同人サークル『Film Records』代表。 年に2枚の作品をリリース。 他、個人/法人の制作案件をご依頼いただいております。
■『Cubase Pro 8で始めるDTM&曲作り』 リットーミュージック・執筆

最近の記事

カテゴリ アーカイブ

月別 アーカイブ

DTM-Online音楽教室 skypeレッスン対応 現役プロの作編曲家・アレンジャーが講師を勤める音楽教室。 やすろく 東京都杉並区のホームレコーディングスタジオ 高岡兼時オフィシャルサイト