録音ボイストレーニング教室ではボイトレの方法として『レコーディングして発声フォーム・ニュアンスをチェックする』方法を推奨しています。
録音して確認する事で、耳が鍛えられ判断力がつくだけでなく、日々の確認で声の変化がリアルに実感できるからです。
レコーディング・ボイストレーニングに大事なのは以下の2点です。
- 大きい声の出せる環境で歌う
- ある程度音質の良い録音を行う
※スマホのボイスレコーダーはNG
ただ録音すれば良いのではなく、普段通りの歌い方で歌いつつ録音はなるべくフラットに、実際の音と誤差のない音での収録が必要になります。
※録音した音に癖があると、正確なチェックになりませんからね
歌の練習・宅録のボーカルレコーディングに対応できる自宅の録音環境の作り方を紹介します。
自宅スタジオの要は『防音』
自宅での録音で一番の問題となるのが 『騒音問題』
近隣に苦情を言われては録音どころではありません。
一番の解決方法は「防音室の購入」ですが、1畳70万前後と非常に高級です。
中古ならボーカルブースは35万前後でも購入可能。
スペースに余裕があれば、長期的なスタジオへの投資を考えれば悪くないかもしれません。
近隣の苦情はほぼ完璧におさえることができますが、なかなかポンと出せる金額ではありません。
では、他の方法はないでしょうか?
遮音フィルターの導入
私が『遮音・防音』に一番有効だと考えているのがこの方法。
声は、前方に120度程度の広角に拡散されます。
これを遮音スポンジ等でおさえることで一定の効果が期待できます。
レコーディング用のアイテムで「リフレクションフィルター」という商品があります。
元々はコンデンサーマイクの録音用に開発された商品ですが、ボーカルスタンドと併用すると遮音にも非常に効果があります。
安価な製品も増えてきたので、簡単でレコーディングの遮音に大きな効果が期待できます。
部屋の防音について見直してみる
壁が薄い部屋だと少し難しいですが、しっかり防音対策をすればかなり音漏れを防止できます。
鉄筋コンクリートのマンションは特に壁の遮音性が高いため、音が外に漏れるポイントを探し出し遮音対策をすることで大きな効果が期待できます。
音は、低い音は下へ、高い音は上へ拡散します。
- 低音への対策に下に防音マットを敷く
- 高音が気になる場合は、天井に遮音シートを張る
これで上下への遮音のアプローチが出来ます。
あとは純粋な同階層への遮音についてです。
ドアからの音漏れを防ぐために、扉の隙間を埋めるスポンジをつける
ホームセンター等で売っています。
歌う方向の直線方向に遮音材を貼る
密度のある物をおく事でも代用できます。
本棚や家具等、なるべく重くて密度のある物を部屋の中に置く事で吸音材の代用にもなります。
- 金属系の物は反響音が増え逆効果
- 衣服や布団・毛布等の密度が大きく構造が複雑なものがオススメ
部屋の空間をなるべくなくす
部屋の空間面積が広いほど、音は拡張し広がりやすくなります。
あえて物をたくさんおいていた方が、残響が無くデッドな空間になります。
防音・遮音と言うと難しいイメージですが、そんな事はありません。
反響音は部屋のどこかで拡張しているので、反響ポイントを探し出し遮音対策を講じるだけで、ビックリするほど部屋の音場環境が変わります。
部屋の反響音をコントロールには、吸音材・防音シート等がオススメです。
自宅録音なら、騒音に強い『ダイナミックマイク』
一般的に、ボーカル録音にはコンデンサーマイクが多く用いられます。
ダイナミックマイクより感度が良く、繊細な表現の録音に適しているからです。
しかし、自宅は防音処理が甘く雑音を拾いやすいため「ダイナミックマイク」がおすすめ。
自宅録音のスタンダードなマイクは『Shure SM58』
透明感は少ないのですが、非常に中音が温かく存在感のある音が特徴。
ローノイズで頑丈なため、ライブハウスのボーカルマイクとしてもよく使用されています。
高音質な無料の録音ソフト『Studio One Prime』
録音ボイストレーニング教室で、自宅録音におすすめしてるのが『Studio One Prime』
機能制限のあるフリー版ですが、非常に高音質かつ使用日数に制限はありません。
録音・編集においてはこのソフト一つで十分に対応できます。
音楽業界でも音が良いと評判のDAW 『Studio One Prime』
本格的に音楽制作をされる方には有料版もオススメです。
まとめ
ボイトレは毎日の事なので、環境づくりは非常に重要です。
費用と手間がかかっても、カラオケに通う経費と時間を考えればスタジオ構築は遥かに経済的。
自分の目的にあった環境を整備する事で、モチベーションや歌唱力は確実に向上します。
環境を一度見直して、歌の宅録・練習スタジオ作りに挑戦してみてくださいね!