ボイストレーニングを行う上で重要になる2つのポイント
- 口の形の作り方
- 喉の開き方
声の力強さや安定感を司る腹式呼吸に対して、この二つは『声質』そのものに大きく影響します。
『口の開き方』を改善して、声の印象をコントロールする方法を音声を交え紹介します。
声の印象は、『口の形』で決まる!
声質は喉の形の作り方や骨格、呼吸の仕方で決定しますが、声の印象は口の形で決定されます。
この場合の印象とは、主に『明るい』『暗い』といった要素です。
人と初めて話をするとき、その人の事を知らなくとも『なんか暗い』『元気そうな人』など印象を持ちますよね?
口の使い方は人の性格と密接に関連しており、無意識な中で明るい人は明るい声、暗い人は暗い声を出しています。
暗い人が俯き加減に、明るい人が胸をはって歩いているのと同じように、体が生理的に動作を決定づけているからです。
『明るい』『暗い』という印象を司るのが、声を出している時の口の形
意識的にコントロールすると、人に対する印象を明るくも暗くもイメージさせる事が出来ます。
『口を大きく開く』は間違い!?
ボイストレーニングで多い勘違いが『口を大きく開かなければいけない』という先入観。
『口を大きく開けろ』というと、大抵の人が口を縦に大きくあけます。
「お」の口の形ですね。
口が大きく開くと、声帯も開きやすく大きな声が出やすくなります。
主にクラシックで用いられるのですが、喉を開きやすい反面『いつもどおりの会話の発音』をナチュラルに発声することが困難になります。
口角が下がってしまうため、少し暗めのトーンになってしまうのも特徴です。
実際やってみると、普通の会話も少しぎこちなくなりませんか?
私たちは普段、そんな風に声を出していないからです。
本教室のレッスンでは、歌の歌詞を『言葉』として伝えられるように、よりナチュラルな発声の口の形を目指します。
口角を横上に広げ、口を横長に保つ!
私が見本とするのが、女性モデルさんなどの笑顔の口の形。
口角を横ななめ上に保ち、笑顔の表情に近い形で発声する事で『笑っている顔の声』=『明るい声』の印象をすべての発音で再現できるようします。
口角の位置の変化による違いを音声で比較
言葉で説明するのも難しいので、実際に二つの声を比較してみましょう。
- 口角を下げた声のサンプル - 少し暗い印象があります
- 口角を上げた声のサンプル - 声のトーンが明るく響きます
- 口角をあげて徐々に下げたサンプル
声質の変化がおわかりになるでしょうか?
口の使い方一つで大きく印象が変わるのが分かると思います。
無表情な人は表情筋が発達していないため、最初は口角をあげてキープするのが辛く感じるかもしれません。
基礎トレーニングを継続する事で徐々に口角の位置をキープできるようになります。
まとめ
発声は、発音や音程変化によってコロコロ形を変えます。
口の開き方の改善は理解するだけでは意味がなく、どんな音域でも発音でも声の印象をキープできるよう基礎練習を正しく継続しないとなかなか上手にいきません。
表情の訓練は、日常会話の中で口角の位置のキープを意識するだけで十分に効果があります。
空いた時間に鏡をチェックして「口の開き方」の改善に取り組む癖をつけましょう。